失って初めてその大切さが分かると言うことが有りますが、歯もその一つだと思います。
もし歯を失うと見た目だけでなく食事や発音が困難になるなど、生活全体に悪影響を与えてしまいます。人が歯を失う原因には大きく分けて虫歯と歯周病の二つがありますが、今回は歯周病についてのお話です。
歯周病と聞いてみなさんはどんな事を想像しますか?真っ先に想像するのは「歯グキから血が出る」「歯がグラグラする」などでしょうか。歯周病の主な原因はお口の中の細菌の塊であるプラークです。このプラーク1mg中には約400種類・1億個以上の細菌が存在し歯肉に炎症を起こさせる毒素を出します。歯肉の炎症が慢性的に続くことで歯を支える骨が溶ける病気が歯周病です。またこれに加えて喫煙や糖尿病・ストレスなどの因子が病気の進行を加速させると言われています。
8020(ハチマルニイマル)運動と言って80歳で20本以上の歯を残そうと言う運動があります。20本以上の歯が残っていれば高齢でもよく噛んで食事がとれるため、このような目標をかかげているのです。しかし、実際には40代あたりから急速に歯を失いはじめ、日本人の平均で5〜60代では22本、70代では12本、 80代にもなるとわずか8本しか自分の歯が残っていないのが現状のようです。周病は虫歯と違ってほとんど痛み無く進行するため、実際に歯がグラグラになるまで自分が歯周病にかかっていることを自覚するのは難しいようです。そして自然と歯が抜けるくらい進行してしまった時にはすでに手遅れになっています。そのような状態になるまでにはかなりの年月がかかるため自分だけは大丈夫だと錯覚してしまうのでしょう。
「歯グキが赤く腫れる」「膿が出る」「歯磨きのときに出血する」「朝起きた時に口の中が粘つく」「歯がグラグラする」「昔と比べて歯が伸びた気がする」「口臭があると言われた」など思い当たる人は注意が必要です。歯周病で歯を失わないためには早期発見・早期治療が最も効果的です。また歯周病は自然に治ることはありません。定期的に歯科医院に行き、正しい歯ブラシが行われているかのチエックや歯石の除去を行って貰うと良いでしょう。これからは悪くなった所を治療するのではなく、悪くならないように予防管理して行く時代です。「自分の歯で健康で快適な老後をおくる」そんな願いを実現するためにも、もっと自分の歯に関心を持ち定期的に管理して貰えるかかりつけの歯科医院を作りましょう。